雨情さんは、樺太から横浜に船で帰ってきました。心は高鳴ります。横浜に着くや否や、雨情さんは東京の果物問屋に走ります。先にリンゴはその問屋に着いています。
「樺太からリンゴは着いとりますか?」
「着いてますけど」
「そりゃ、よかったでやんす」
「野口さん、それが・・・・」
「えっ、どうかしたでやんすか?」
「まあ、見てください」
雨情さんは、貨車に積まれたリンゴを見に行きました。貨車の扉を開けてみると、ありゃまあ、変な香り。貨車の中をよく見ると、なっ、なんと、リンゴがみんな腐っているではありませんか!
雨情さんが樺太で買ったリンゴは、落ちリンゴで、殆ど保存が効かないものであったのです。だから安かったのです。素人の雨情さんは、まんまと騙されたでありますな。野望が邪魔をしたのでありますな。大儲けを夢に見た雨情さん、泣くに泣けず、がっかりでありました。安物買いの銭失いとは、まさにこういうことを言うのでありますな。雨情さん、ホントにお気の毒であります。
雨情さん、この後、どのように生きていかれてのでありましょうか?次回以降をお楽しみに!
投稿者 tuesday : 2007年04月14日 |