雨情さんについて、いろいろと調べていると、雨情さんはビックリすることをしています。何とかして、現状を打破して、名声と社会的地位を得て、楽な生活をしながら、自分の好きな詩を書きたかったのですかな?驚くなかれ、そのビックリすることとは?
実は、雨情さんは、北の果て樺太に旅立つ直前に、実家の土地や財産を処分し、当時の金額で50万円を用意して、男爵の地位を買おうとしたことがあるらしいのです。ホンマかいな?と疑いたくなりますな。本当に、男爵の地位をお金で買える、そんな美味い話があったのでしょうか?
男爵といえば、宮中で何か儀式があるときに天皇の席に近い順に坐る順番「宮中席次」で皇族を除いた序列の中の地位です。公爵、侯爵、伯爵、男爵の順になりますが、公爵は、西園寺公望、島津久光、徳川慶喜、伊藤博文、大山巌、桂太郎、山県有朋、松方正義などで公卿、徳川、薩長の出身者で、侯爵は、井上馨、大久保利通、大隈重信、木戸孝允、小村寿太郎、西郷隆盛、東郷平八郎など、伯爵は、板垣退助、勝海舟、黒田清隆、児玉源太郎、後藤晋平、後藤象二郎、乃木希典、陸奥宗光、山本権兵衛など、そして男爵は、公家、武家(大名からの分家)、僧職(浄土真宗)・神職(伊勢神宮や出雲大社など)、国家に勲功ある政治家・官僚・軍人、三井家・住友家・鴻池家・岩崎家のような実業家がなっています。
これらのどれにもあたらない雨情さん、男爵になれると思ったのでありましょうか?きっと、リンゴ事件と同じように、誰かに騙されたようでありますな。50万円の大金を支払ってしまったのか、どうかは分かりませんが、男爵の地位を得る夢は儚く消えました。雨情さんは野望の持ち主であり、騙されやすいお方であったのですな。
投稿者 tuesday : 2007年05月13日 |