古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































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童謡、民謡、そして昭和歌謡への流れ(52) 雨情さん、乃木大将宅へ

野口雨情さんが、乃木大将に会いに行った時を再現すると、どうなるのでしょうかな?雨情さんが弟子の三井良尚(元東京日日新聞・今の毎日新聞の記者)に語った話をもとに再現してみましょう!あくまでも、もりちゃんの想像なので、あらかじめご了承願います。


「ごめんくだせえ。乃木大将様にお会いしたぐでお邪魔しました。乃木大将様はご在宅ですが?」
雨情さんは、玄関をおそるおそる開けると、首を中に入れて、様子を伺っていると、書生らしき青年が出てきた。その書生は、雨情さんの身なりを見て怪訝そうな顔つきで尋ねた。
「どちら様ですか?」
雨情さんは、首だけを玄関の中に入れたままで、何度もお辞儀しながら、
「おらあ、野口英吉、いや野口雨情っちゅう詩人でやんす」と挨拶をした。書生は無愛想に
「ご用件は何ですか?」と聞くと、雨情さんは、また何度もお辞儀をしながら答えた。
「用件というのはねえのですが、乃木大将様に、人目お会いしたぐで、茨城の磯原から、やって来たでやんす。乃木大将様は、いらっしゃいませんか?ご不在なんだっぺ?」
「乃木閣下は、お忙しい方です。用件の無い人には、お会いになりません。」書生はきっぱりと言って、雨情さんを追い返そうとした。
「お忙しいので、お会いいだだげねえのですが?ひと目でよいのですが、何とかなんねえですが?」
「お帰りください」
「遠い茨城から、乃木大将様に会いたぐで、出てぎだんです。何とか、お願いするでやんす」
「乃木閣下は、お忙しいのです」
「乃木大将様の御用が済むまで、待たせでぐだせえ。お願いしますでやんす」
すると、書生は、仕方ない表情で、奥に戻って行った。
「待たせでいだだぎます。ありがどうござんす」雨情さんは、書生の後姿を見ながら、また何度もお辞儀をした。
暫らくすると、書生が出てきた。
「乃木閣下がお会いになると言って下さっている。上がってください」
「あれまあ、上がらせでいだでえで、よいのですが?」
雨情さんは、そう言うと、玄関の戸を大きく開けて中に入った。
「失礼しで、上がらせでいだだぎます。恐縮でござんす」


雨情さん、とうとう粘り越しが功を奏して、乃木大将の応接間に通されたのであります。雨情さん、乃木大将にご対面です。この続きは、次回に!



投稿者 tuesday : 2007年04月29日


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