古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































メンバーズブログTOPへ > morichan > 童謡、民謡、そして昭和歌謡への流れ(67) 野口雨情と石川啄木との出会い


童謡、民謡、そして昭和歌謡への流れ(67) 野口雨情と石川啄木との出会い

「こーたに朝早くがら誰が訪ねでぎだんだっぺ?非常識な奴だなぁ?やんれやれ、起きるどするが?」
雨情さんは、こんなに朝早くから訪ねてくる奴の気が知れないと思いつつ、女中さんが枕元に置いていった名刺を手に取って、訪問者の名前を見ました。薄汚れた名刺には毛筆で「石川啄木」と書かれていました。
「いしがわだぐぼぐ?ええっ?確か、与謝野先生がやっておられる『明星』でいくづが詩が載っていで知っているが、あの本当に石川啄木が、この北の果て札幌まで、わすを訪ねでぎだって?」
雨情さんは、蒲団から起き上がり、札幌の九月の冷やりとした空気を肌に感じながら急いで着替え、蒲団を畳んで狭い下宿部屋の隅に積み上げ、タバコと灰皿を載せたちゃぶ台を部屋の真ん中に置いて、部屋を身綺麗に整えていました。するとそこへ陽に焼けて赤茶けたカンカン帽を手に持って、洗い晒しの浴衣に色の褪めかかったよれよれの絹の黒羽織を着た青年が入ってきたのであります。
「失礼します。石川啄木といいます」
一分刈りの丸坊主頭の青年は、そう挨拶をすると、ニコニコ笑みを浮かべながら軽い会釈をしました。
「はっ、はじめましで、野口雨情です。いやー、石川さんのお名前は『明星』で存じ上げでいます。どうぞ、お座りぐだせえ。ちっと顔を洗ってぎますがら。申し訳ねえですが、ちっと待ってでぐだせえ」
雨情さんは、手拭いと歯ブラシを持って部屋を出て「今朝は、ちっと肌寒いなあ。やはり札幌の九月は内地と違ってひんやりする。あの石川啄木っちゅう人、浴衣と夏羽織では、みすぼらしいっぺ」と呟きながら洗面所に向かいました。
「ところで、石川啄木は、わすに何の用があって訪ねてきたんだ?こんなに朝早く」
雨情さんは歯を磨きながら、落ち着かない気持ちになっていました。


朝早くから雨情さんの前に突然現れた石川啄木!果たして何の用があって訪ねてきたのでありましょうか?この続きは次回に。お楽しみに



投稿者 tuesday : 2007年09月01日


トラックバック


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kayou.org/cgi/mt/mt-tb.cgi/274

★【 熱意ブログランキング 】★12 NPO・ボランティア にほんブログ村 音楽ブログへ ブログランキング

BS blog Ranking  【ブログ探検隊】人気ランキング