古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































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童謡、民謡、そして昭和歌謡への流れ(72) 啄木さんの途中下車

「はっはっは、お恥ずかしい話です。はっはっは、新妻だけでなく石川家全員を養わなければならなくなったことに気が付いたのです。はっはっは、はっはっは、はっはっは」
啄木さんは、恥ずかしそうな高笑いを数度すると、白いごはんをパクリと口に入れ、美味しそうに口を大きく動かしました。
「つまり、お金でやんすね。それで、どうしたでやんすか?」
雨情さんは、自分の場合は、山や田畑があり、それらを切り売りして、何とか返済はできたけど、啄木さんの場合は一文無しになったのだと、冷めたように自分との違いを認識したのであります。
「はっはっは、途中下車です」
「途中下車?」
「はっはっは、仙台で途中下車しました」啄木さんは、また白いごはんを口に入れました。
「仙台?そこで働いたのでやんすか?」
「はっはっは、働いたといえば、働きました。はっはっは、おっと、すみません」
啄木さんは高笑いによって口からちゃぶ台にこぼれたごはん粒を拾い、それをまた口に入れました。
雨情さんは、啄木さんが飛ばしたごはん粒が、まだちゃぶ台に残っているのを見つめながら、
「働いだといえば、働きましだ?って、どういうごとでやんすか?」と訊きました。
「はっはっは、実はね、土井晩翠先生のお宅を訪ねたのです」
「土井晩翠先生でやんすか?」啄木さんの話からは、上田敏とか、尾崎一雄とか、有名人が飛び出すので、雨情さんはあまり穏やかな心持ちではありませんでした。



投稿者 tuesday : 2007年09月23日


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