古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































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♪閑話休題♪ 懐かしさの涙

この一年間、おもひでチューズデーは、だいたい月2回ペースで、老人ホームやデイサービス等への音楽ボランティアをこなしてきました。「おちゃのこ祭祭」や「城東フェスティバル」を入れると、約1000名くらいのおじいちゃん・おばあちゃんと出会ったのではないかと思います。このHP・ブログへのアクセス数も、1日30件、月900件弱、ということは、年間に10000件にもなっております。驚き桃の木・山椒の木でありますな。


単に数字の話ばかりではありません。このボランティアをしていまして、感動することが多くなってきました。というのは、この間も、演奏をしていて、おじいちゃんやおばあちゃんが箱をリレーのように回しておられまして、もりちゃんは「なんだろう?」と不思議に思っておったのでありますが、後でメンバーに訊くと、涙を拭くために、ティッシュの箱が回っていたということであります。お年寄りの皆様が、歌を唄いながら涙をポロポロと流されていたのであります。演奏が終わってからも、お礼のカードを我々に渡してくれたおばあちゃんが眼に涙を一杯に溜められていて、我々メンバーは思わずもらい泣きをしてしまいました。


おもひでチューズデーと一緒に唄って流す、このお年寄りの皆様の涙は、「うれし涙」というものかもしれませんが、もりちゃんは、その涙は「懐かしさの涙」だと思っております。人は、「悲しさ」「怒り」「嬉しさ」ゆえの涙を流すことはあります。そういう涙は分かるのですが、「懐かしさ」のあまり涙を流すということは、日常では殆どないのではないでしょうか?「懐かしさの涙」はジーンときます。最近、涙腺が緩くなったもりちゃんは、即もらい泣きをしてしまうのであります。


歌謡曲(流行歌)は、時代を反映した歌詞や曲調があります。おもひでチューズデーが演奏する昭和歌謡の曲の数々は、おじいちゃん、おばあちゃんが青春時代や働き盛りの時代に流行った曲ばかりで、それらの曲が一人ひとりの想い出と何かしら結びついているのでありましょう。楽しかった想い出、辛かった想い出、いろいろな想い出があります。舟木一夫の唄った曲に「君たちがいて僕がいた」(作詞:丘灯至夫、作曲:遠藤実、コロムビアレコード、昭和39年)というのがありますが、そのイントロが流れるときに舟木一夫が語るセリフを、もりちゃんは思わず想い出してしまいますな。


清らかな青春 爽やかな青春
大きな夢があり 限りない喜びがあった
はかない希みがあり つらい別れもあった
そんな時はいつも
母にも似た やさしいまなざしの
君たちがいて そして僕がいた


人それぞれに懐かしい想い出が歌謡曲(流行歌)と結びついている。メロディを生演奏で聴いて(ギターやたて笛等の楽器が郷愁をそそりますな!)、その歌詞を眼で歌詞カードを見て(昔の歌詞は一流の詩人が歌詞を書いており、なかなか良い詩がありますな!)、大きな声で唄う(眼・耳・口を使うということは脳のためにもよいですな!所謂「脳トレ」でありますな!)。そして、懐かしさのあまり「懐かしさの涙」を流し、このような体験をしたという満足感と喜びが心・精神を充たす!


これは、かのアリストテレスが『詩学』で説いたところのまさに「精神の浄化作用」でありますな。人間には、これが必要なのでありまして、これによって、若返り、ストレスや悩み、うつ病なんかも飛んで行ってしまいます。おもひでチューズデーと一緒に唄ったことによって、うつ病が治ったおばあちゃんも本当におられます。


おもひでチューズデーのメンバーは、昭和歌謡を通して、おじいちゃんとおばあちゃんたち一人ひとりのそれぞれの想い出や長い人生の歩みを、一種の共感として肌で感じる「共通感覚」を体験することができました。昭和歌謡の音楽ボランティアでなかったら、こんな体験はできなかったかもしれません。我々のボランティアが単なるボランティアではないのではないか!とまで思うようになったのは、メンバーの中でももりちゃんだけでしょうか?


これは、昭和歌謡の威力なのかもしれませんな。これはボランティアという範疇ではなくて、昭和歌謡を通じて可能となった、ごく当たり前の人間と人間の心の交流でありまして、それも世代を超えた心の交流であります。忙しい日常に生きる我々日本人は、すっかり忘れているのであります。これからの日本の介護の問題は、実に深刻です。でも、この心の交流を活かした工夫をすれば、お年寄りだけでなく、介護に携わる方々にも「精神の浄化作用」が伝わり、介護を取巻く環境を変える起爆剤になるのでは?と、もりちゃんは思います。



投稿者 tuesday : 2008年03月09日


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