もりちゃんの「昭和歌謡を語れば」は、治安維持法の改正から特高警察の設置へと暗~く重~く流れる時代を語ります。
共産党の幹部たちは「27年テーゼ」を持ってモスクワから帰ってきました。そして翌年の、今、もりちゃんが語っている昭和3年、その2月20日の第一回普通選挙に、労農党の候補者として11名候補者を立てました。モスクワからの多額資金を使ったにもかかわらず、全員落選してしました。そして、官憲にモスクワからの帰国・選挙という動きを見られてか、「3・15検挙」となり、千数百名が逮捕されたと言われています。
それから少し経って、6月29日に治安維持法が改正され、7月3日には、内務省官房に特別高等警察部と全国の警察に特別高等警察課が設置されました。いわゆる「特高」です。翌日の4日には、憲兵隊に思想課も設置されました。当時の共産党の幹部は拳銃を所持していたらしいですな。この年以降、官憲とドンパチ撃ち合いをしたようです。ああ、恐ろしや!翌年の昭和4年4月16日、いわゆる「4・16検挙」では7百名が逮捕され、共産党はほぼ壊滅したと言われています。
いやはや、時代の流れが人を巻き込んでいく様子が分かりますなあ。昭和3年は、大衆の賑やかで華やかな世界とこのように別の暗い怖い重い世界が共存していたのでありますなあ。人はいつの時代にも様々に生きているのでありますな。
ここまで数回は、昭和3年のイデオロギーに影響された世相を見てまいりましたが、もりちゃんは次回では文学、つまり日本近代文学上において、昭和3年が重要な年であったことを語ります!「それって、もりちゃん、昭和歌謡に関係するの?」当然ですよ!乞うご期待!
投稿者 tuesday : 2006年05月14日 |