古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































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一期一会

 一昨日、実家の「老父母二人暮しヘルプ(炊事・洗濯・草取り・片付け・爪切り・買出し・各種手続き等など)」を済ませた後、横須賀の病院に夏から入院しておられる高校時代の恩師を見舞いました。骨髄の癌に冒されて闘病中のO先生は、37年前、私が鹿児島から転校してきた次の年(高3)の担任でした。


 長身・色白の細面。エリ-トの風貌と気難しい神経質な印象、生真面目で頑固な生き方(そう思い込んでいたのです)が好きになれず、私は豪放磊落な副担任のK先生の方が親しみやすくて、反抗的な態度をとっていた「はねっかえりの」副級長でした。卒業後もほとんど連絡を取らず、欠席がちの同窓会でもお目にかかる機会はほとんど無かったのです。でも、その時は「月並み!」と気に留めなかったO先生の座右の銘「一期一会」に、何故か今回背中を押され、詰まった日程の間に予定を押し込んで、突撃お見舞いを決行することに。


 下火になりかけて再燃した学園紛争の煽りから、転校してすぐの中間試験はバリケ-ド封鎖で中止。修学旅行も危うかった激動の高校時代、3年になると皆は自分のことばかり。代返で抜け出して予備校に通う人、アルバイトに熱中する人がいてクラスはバラバラになりました。カリキュラムが単位制になって午後は必修科目が無いため、一緒にお弁当を食べる相手もいないガランとした教室に、受験一色の血走った目の生徒。無気力で空虚な雰囲気が漂っていました。
 「何とかしよう」と考えた数人で企画した夏合宿が無かったら、クラスの思い出なんて皆無だったかもしれません。


 か細い声で途切れがちに話すO先生と、記憶をたどりながら30分ほど…。次々に色々なことを思い出して話題は尽きず、「少し疲れた」と先生の方から切り上げるまで、ステキなひとときを過ごすことができました。合宿実現のため、職員室での葛藤を(実は仲良しだった)K先生の後方支援で切り抜けた話、街頭行動で警察に補導中だった生徒を両親と引き取りに行った日、お嬢さんが生まれた(美知子と名付けた)話。あんなに避けていたのに、先生の一途で反骨精神旺盛なロマンチストぶりを再認識して、私は山小屋の夜に皆で歌った「シャロ-ム」を思い出して涙ぐんでしまったのです。


 ご快癒・ご帰還を心から祈ります。
 はっし-やチューズデーの皆さんと出会う前の、青春の一こまを甦らせて、私は初めてO先生の「教え子」となった気がしました。「一期一会」を改めて胸に刻んだ、横須賀の夕暮れ時でした。



投稿者 tuesday : 2007年11月02日


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