古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































メンバーズブログTOPへ > yasuko > カギヤの狐


カギヤの狐

 我が家の隣に王子稲荷神社があります。関八州の稲荷の総本山で、毎年初午には火伏せの凧を商う市が立ち、大勢の参拝客で賑わいます。この神社は4人の息子たちが通った幼稚園を経営していて、裏山には狐の穴が今も残る、謎めいた魅力を放つ江戸の名所です。

 
 さてこの神社の裏門に1対の狐の石像があるのですが、この狐たち、1方は鍵を、もう一方は丸い玉をくわえているのです。花火の話を読んで思い出したのですが、「タマヤー、カギヤー」と掛け声をかけられていた花火屋の双璧「玉屋」と「鍵屋」のことではないかと、地元の洋服屋のおじさんに聞いてみたら、何とその通り!江戸時代、疫病が大流行して元気のなくなった江戸庶民を活気づけようと催された花火大会の時、両花火屋が奉納した石像だそうです。


 風刺の効いた狂歌で有名な太田蜀山人の作品が、この石像を謳って装束稲荷(大晦日の「狐の行列」の出発地点で、大昔、狐たちが王子稲荷に初詣の際、この稲荷の側にあった榎木の下に集まって装束を調えたと伝えられています)に残っています。「いざ開けん 海老屋 扇屋閉ざすとも 王子の狐 鍵をくわえて」…私はこの狂歌に、閉塞した今の世の中を開いていく鍵が潜んでいるような気がして、様々な地域活動の一つとして「狐のにぎわい」というプロジェクトを始めました。


 王子のまちや狐のことを調べ、先輩の皆さんはもちろんのこと、子どもたちや若者たちとも共有しながら
「庶民ミュージカルを創ろう!」という動きに文化のネットワーク作りを絡めていこうとしています。海老屋も扇屋も、蜀山人翁の予言どおり傾いて、閉じる寸前。栄枯盛衰の様相を呈しています。そして世の中は無力感と不安に支配され、際限の無い争いに、打つ手も見つからない始末。鍵は何処に?そして扉を開くのは誰?ミュージカルは子どもたちの夢を再生出来るのでしょうか?幕は上がったばかりです。



投稿者 tuesday : 2006年08月04日


トラックバック


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kayou.org/cgi/mt/mt-tb.cgi/125

★【 熱意ブログランキング 】★12 NPO・ボランティア にほんブログ村 音楽ブログへ ブログランキング

BS blog Ranking  【ブログ探検隊】人気ランキング