次の曲は、これも藤山一郎によってレコーディングされた「酒は涙か溜息か」です。昭和6年(1931年)9月にこのレコードは発売されていますが、満州事変が9月18日に起こっています。
「酒は涙か溜息か、こころの憂さの捨て所」という、当時の時代を憂うる思いがよく表現されています。この歌のヒットで、作詞者の高橋掬(きく)太郎は、新聞記者から作詞家に転身し、藤山一郎はスターの座を確立しました。古賀政男は、この曲で作曲家としての地位を不動のものにしました。