古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































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童謡、民謡、そして昭和歌謡への流れ(74) 啄木さんの地方雑誌「小天地」は創刊号のみ!


雨情さんも箸を取って朝ごはんを食べ始めました。
「盛岡での生活は、どうだっだでやんすか?」
「はっはっ・・・・」
啄木さんは、高笑いを途中で止めてしまい、しばらく黙っていました。
雨情さんは箸を止めて、啄木さんの顔を覗きました。すると、啄木さんの眼には涙が今にも零れ落ちそうに溜まっていました。
「どうしだでやんすか?」
「所詮、結婚というものは、愛というより、まずは生活ですよね。おまけに両親や妹も養わなくてはならず・・・・」
今までの高笑いをしていた啄木さんは何処へ行ったのかと思う程、急に元気が無くなってしまった啄木さんを見ていると、雨情さんは箸を進める訳にはいきませんでした。


しばらくの沈黙が流れていましたが、啄木さんの眼から涙がポタポタと落ちる音を聞いて、雨情さんが語りかけました。
「啄木さんは、盛岡でご家族をどうやって養ったでやんすか?仕事はどうされだのですが?」
啄木さんは、袖で涙を拭きながら、情けない声で、
「父を元の住職の地位に戻すよう運動して、お寺の本山曹洞宗宗務局の宗憲発布による恩赦があったのですが、結局は使い込んで滞納した宗費の弁済の目途が立たず、復帰は絶望となりました。その運動の間、ある人の資金支援で『小天地』という雑誌を私が主幹・編集者、父が発行人で出しました。岩野泡鳴、与謝野鉄幹、正宗白鳥、綱島梁川、小山内薫、平野万里、新渡戸仙岳などの諸先生の作品を掲載した地方雑誌としては画期的なものでしたが、その資金援助してくれた人が書いた小説を創刊号に掲載しなかったため、その人とトラブルになり、2号は出せませんでした」
「ほう、そっ、それは勿体ないことでやんす。その人の小説を載せればよがったのに。啄木さんは詩を載せたのですが?」
「ええ、長詩3編、長歌、短歌を載せました。妻の節子の短歌も載せました・・・・」
「げーっ、自分だちのばかり載せで、金っこ出しだ人の小説を何故載せなかっだの?それは、ずるいでやんす」
「調子に乗り過ぎたのです」
「それがら、どうしたっぺ?」


啄木さんは、泣きながら辛かった話を雨情さんに語り続けます。啄木さんは高笑いをしたり泣き出したり、喜怒哀楽が極端ですな。この続きは次回に!



投稿者 tuesday : 2007年09月29日


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