古賀政男から美空ひばりまで昭和歌謡の名曲を慰問演奏。音楽ボランティアグループ“おもひでチューズデー”


































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こころを病む人たちの元へ

 熱風の中を喘ぎながらたどり着いた百合が丘。7月12日(土)の午後、お迎えの車に乗せていただいて上って行った、見晴らしのいい丘の上の病院は、こころを病む人たち専門の医療施設。30年以上前、若かったyasukoがPSWとして働いていたのと同じ種類の病院です。時代は移り、法律も制度も変って、病院の設備や治療の内容も改善されて、夢のような環境。みんなで集まって歌う…なんて、あの頃は考える余地もなかった…。


 そう、暗い病棟の扉を鍵をじゃらじゃら言わせながら開けて、白衣姿で患者さんたちの話を聞いて歩いた日々。高齢の親御さんや地域の雇用主を説得して、長期入院の患者さんたちを次々に退院させ、通院治療につなげた日々。病識がなかった時の方が幸せだったと言われて切ない思いをしたり、5回も6回も未遂を繰り返しながら、最後は屋上から飛び降りて亡くなった身元引受人のいない仏様を一人で霊安所から送り出したり、、、世間知らずの(?)女の子には結構ハードな仕事でした。


 初め、気づいていなかったのです、患者さんたちだとは。大きな声で歌い、目を見開いてこちらを凝視する人、じっと目を閉じて何かを噛みしめるように顔をゆがめ…それから急に歌い出したかと思ったら涙をぬぐっている人、いつもと少し様子が違っていましたが、歌う時の楽しそうなお顔と終ってから交わす挨拶は、他の施設に伺う時と何ら変わりません。歌(音楽)が人を柔らかくし、眠っていた感性を呼び覚まし、豊かな表情で周りとのコミュニケーションを潤す力となる。さまざまな会場でチューズデーが演奏と共に実感してきたことが、この日も顕著になりました。


 人の心をおろそかにし続けてきたここ数十年の政治・経済のあり方が弱い立場の人を苦しめて、毎年の自殺者が3万人を下らない日本・私たちの国。心を病む人は病院の中にだけ居る訳ではありません。ひとつの歌をみんなで共有できた時代:昭和の思い出を、これからもたくさんの人に届けたい!心を病む人たちの元へもこの想いがいつか届き、音楽の輪が広がっていったら…生き難い世の中も捨てたものではないと、踏みとどまるきっかけになるかもしれません。


 あなたがいて、私がいて、生きるに値するこの世界があって…そして明日が来る。すべては音楽から始まる(茂木健一郎)のだそうで。



投稿者 tuesday : 2008年07月15日


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